スコットランド紀行 第8回


4月15日(月)

 翌朝大荷物とともにホテルを出発。かなりよたよたしていた。エジンバラがら空路でロンドンへ。移動のさい買ったばかりのトランクの車輪がとれて大慌て。  

 荷物は積み込んでしまったので、手に持って運んでいたら一行のうち男性3名がリレーのようにして運んでくれた。・・・うれしかった。3年以上たったいまでも思い出すとじんとくる。その時私はレディとして扱ってもらったのだ。「何入ってるんです?重いですね〜。」と言われたがスイマセン、中身はグラスとウイスキーが2本ばかり(それもたいしたことないボトラーズ)。

 無計画な買い物と下手なパッキングの結果がこれ。振り返ると顔から火が出る思いがする。自分ひとりで対処しきれないことが長期の旅行では起こりうるから、何かするときはよく考えてから行動しよう!


 空港で団長の土屋さん、通訳の村野さん、同室だったタケイさん、旅行中ほぼキルト姿だった弁護士のSさんらと分かれる。土屋さんはロンドンでお仕事。村野さんはワールドカップサッカーの通訳のお仕事でイタリアへ、タケイさんはロンドン観光、弁護士Sさんは来る時もロンドンで合流したのだが、そのとき仮縫いしていたスーツの受け取りをするとのこと。みんなかっこいいなあ。

 一行の新団長は関西人S氏。3時間あまりの待ち時間があるため30分交代で荷物の番をすることに。そんな段取りをてきぱきと進める姿に感心する。
 それもそのはず、彼は日本バーテンダー協会北摂津支部の支部長であった。旅行中そのS氏から「持ってるウイスキー、とっとかないでちゃんと売りなはれ〜」というありがたい言葉が。夫よ、ほんとにそのとおりだぞ。

 空港内の免税店はウインドウショッピングだけでも楽しい。ガラスはウォーターフォードはあるがエジンバラクリスタルはないのでやっぱりエジンバラで買ったのは正解だった。(東京にだってないのだから)。こうしてみると私は根っからの買い物好きらしい。
 
 ぶらぶらしているとおしゃれなシーフードバーがあって最後の小銭をそこで使い切る。そして日本へ。機内の窓からみえた真夜中の細い三日月をカメラに収めようとしたがうまくいかなかった。それは私だけが覚えている景色である。

4月15日(月)

 成田着。真っ先に多すぎる荷物を盛岡へ送る。身軽になり、東京で一寸途中下車。なぜか酒屋を2軒はしご。そして新幹線で盛岡へ。

 翌日盛岡の街へでたら驚いたことに桜が満開だった。例年より2週間早い開花。春のエネルギーに圧倒される。長年の心のわだかまりがその時吹き飛んだようだ。それから何日か春真っ盛りのなか時差ぼけでうとうとしてばかりいた。


 さて後日譚。7月に旅行の写真交換会をやるからとのお誘いを受け、東京へ出かけた。再会した皆さんから、口々に「あんなにいっぱい買い物して、旦那さんになんか言われませんでしたか?」

 「はい、なんでもっと買ってこなかったんだって言われました。」

 一同大爆笑。誰も夫に会ってはいないのだが、いやはや、たいした存在感だった。




     




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